外壁材料用乾燥装置

概要

低温での乾燥を目的としたプレ+本乾燥装置

建材メーカー様の外壁用材料の低温乾燥を目的とした装置です。(2017年8月納入) 

作業者による手投入 ⇒ トップチェーンにて炉内搬送(段階的乾燥)
トラバーサーにより2ラインに振り分け
自動排出機にて横軸CVへ移動 ⇒ 排出

ワークの塗装されたポイントのみを40℃~50℃程度で加熱 ⇒ 強制硬化させます。
我々が日常的に製作している加熱装置の温度帯は80℃~250℃程度なので
40℃~50℃という温度帯の装置製作は我々にとっても新たな試みであり試行錯誤の連続でした。

この装置のポイントはワーク温度を60℃までとされており
過度な温度上昇を避ける為に装置上部の撹拌ファンで
熱を分散させています。

熱源は遠赤外線パネルヒーターで、ワークへの直接照射で加熱しています。

投入部 ⇒ 作業者が手作業で投入します。

指定位置にワークを二本同時に投入し、均一な距離を保ちながら排出ユニットまで搬送します。

ヒーター制御は複数のチャンネルで行います。
投入部は特に外気温度に影響されるので
開口部に一番近いチャンネルの温度を高く設定し
炉内の温度低下を防止します(冷気を遮断する熱の壁を作る)

中間作業エリア

中間作業エリア

この装置のもうひとつの特徴ですが中間作業エリアが数か所設けてあります。
手作業によるワークへの補修塗料塗布が必要な為です。
作業効率を考慮しつつも作業者の安全面を最優先とし
アルミの防護柵を設置して居ります。

(中間作業エリアは数箇所在り)

1500㎜程度の作業エリア

サイドだけではなく ↓ 側にも手が入り込まないように保護カバーがあります。
塗料の臭気や健康を害する成分が立ち昇らないように
CVの ↓ 側で常時バキュームしています。

ここでも開口部は常に外気に晒される為
最外部のヒーター温度は高く設定してあります。

プレ乾燥後トラバーサーユニット

プレ乾燥を経たワークを本乾燥炉に投入する装置です

プレ乾燥炉(2列×2本ずつ排出)からワークを取り出し
4列に振り分けて本乾燥させる為のトラバーサーです

右左それぞれのスライダーと保持アームが
プレから2列で流れてきたワーク(同時に4つ保持する)を合計4列のCVラインに振り分けます。

ワーク1本当たりのタクトは3秒程度 
プレは2列で6秒程度⇒本乾燥炉に乗る際には4列12秒程度で連続搬送(乾燥)させます。

自動排出ACTユニット+後列排出用ローラーCV

本乾燥装置から2列で出てきたワークを
アクチュエーターを介したアームで
排出用CV上に搬送します。
(写真の物は2列用⇒設置した物は4列verで製作)

本乾燥から出てきたばかりのワークは熱を貯め込んでいるので
上部冷却ファンにて強制冷却します。(写真には載っていませんが)

50℃⇒35℃ 程度まで冷却。
(投入、中間、トラバーサー、排出ユニットそれぞれに非常停止ボタンを設置)

装置製作風景

総長20000mmに及ぶ装置の製作風景です。
フレームに炉体を乗せた状態です。

この状態から駆動部、電気部品を取り付けていきます。

全体としての完成度は30%程度と言ったところでしょうか。

炉内搬送部構造+遠赤外線加熱ユニット

トップチェーンが2列並んでいるのが見えます。
熱源はチェーンの上部にマウントされているパネルヒーターです。
このチェーン上にワークが乗り加熱されながら炉内を進んで行きます。

チェーンの下側には摩擦係数の低いソリジュールを貼ったブリッジを建てています。

ワーク加熱イメージ

上部に配置されたパネルヒーターによる加熱イメージです。

三角形のワーク頂点部分のみを狙った加熱構造です。

頂点のみを加熱してもワーク自体に熱が吸収されるので
炉内全体にも熱風を回して温度を維持しています。
(お客様のワークを出す訳にはいかないのでイメージのみで)